Soliloquy box

松葉が纏まりのない文章を溢すだけの箱

Short Sentence3⃣

 脳が揺れる。実際は揺れてなんかいないのに揺れている。視界がぶれて滲んでいく。鮮明になんて見えたこと無いのに、世界から切り離されたような気がして、安堵、それから焦燥。僕も君も"ほんとうのこと"なんて何も知らないんだ、だってそんなもの何処にも無いのだから。ボディーソープを塗りたくれば乾燥しないわけじゃないし、洗い落とせば総てが綺麗になるわけじゃない。ささくれ立った心はずっと枯渇している。何を求めているのかもわからないままで、代替手段だけが積み重なっていく。お腹を満たしても心は充たされないよ。そう言われても、一度堕落してしまえば、這い上がるときに掛かる負荷は絶大だ。にかにかと痛むお腹を撫でて言い聞かせてみせてよ。そうやって、他力本願。やっぱり視界は揺れたまま。罪悪感と憎悪が幸福感と混ざり合って、それが人間になるんだよ。だから君も僕もそれからみんなも、とてもとても人間だよ。良かったね。

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