Soliloquy box

松葉が纏まりのない文章を溢すだけの箱

Short Sentence2⃣

 毎夜、目が覚める。閉め切ったカーテンの向こうで、世界はまだ冷め切った闇に包まれている。ぼやけた意識の中、感情はその闇へ呑まれたかのように暗く重く横たわっていて、憂いだか何だかが鬱蒼と茂っている。暗澹が腰を据えて、虎視眈々、心の隙を狙っている。防具はもう尽きてしまった、いっそサイボーグになれたら、否、もうこれ以上の非難は勘弁してほしかった。避難したこの部屋ですら侵されて、青鈍の海で溺れている。それならもうお葬式でもしようか。今日の僕を殺めて、明日の僕が喪主を務める。参列者は、今同じように海の底へ落ちた君たちでどうだろう。朝日が昇る頃、皆で地獄へ行こうか。それとも、此処に比べれば何処だって天国なのだろうか。闇夜に酔い痴れて酩酊した脳は、答えを弾き出せぬままに微睡みを連れて来る。そうだ、もうひと眠りして総てを明日の僕に託してしまおう。死んでしまえばどうせ、何もわからないのだから。

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